モンサンミシェルといえばオムレツが有名だけど、評判があまりよくないのはなぜ?
オムレツが有名になった理由も知りたい
この記事では、海外添乗員として103カ国を訪問し、モンサンミシェル名物のオムレツも3度食した私が、あなたのこんな疑問にお答えします!
ズバリ、
名物にうまいものなし
というのが率直な感想です。
これから食べようと思っている方、気分を害してしまったらごめんなさい。
でも、正直なところ、「不味くはないけど、飛び抜けて美味しいわけでもない」という感じです。
口コミでも、意外と辛口評価が目立つんですよね…
- モンサンミッシェルでオムレツが名物になった理由
- オムレツの名店ラ・メール・プラール
- オムレツを食べてみた感想
- オムレツのおいしい食べ方
- モンサンミッシェルのオムレツが辛口評価される理由
こんなことを、まとめてみました。
名物だし、せっかくモンサンミシェルまで行くのだから、食べてみたい!
そんな人に向けて、モンサンミシェルのオムレツを食べてガッカリしないための情報をお届けします!
【なぜ?】モンサンミシェルでオムレツが有名になった理由
海の上に浮かぶように建つ美しい景観からは想像しにくいかもしれませんが、モンサンミシェルは修道院なんです。
中世には、宗教的拠点として重要な場所となりました。
とくに、ペストが流行ったり、戦乱が続いたりすると、人々は死後の世界に救いを求めてモンサンミシェルへと巡礼しました。
しかし、過酷な暑さや凍えるような寒さをしのぎながら、はるばるこの地にたどりつくのは簡単なことではありません。
巡礼者がモンサンミシェルに到着するころには、すっかり衰弱していたそうです。
また、現在はモンサンミッシェルには橋が架かっていて、いつでも島まで歩いていくことができますが、それ以前は島に渡ることができたのは引き潮の時のみ。
潮の満ちる速度は速く、島に渡ることができずに命を落とす巡礼者もいたそうです。
モンサンミッシェルへの巡礼は、まさに命がけでした。
そんな巡礼者をおもてなしするため、島で宿を営んでいたプラールおばさんが暖かくて栄養価の高いふわふわのオムレツを提供したのがはじまりとされています。
島であるため、野菜や肉がなかなか手に入らない。
そんな中で、卵は比較的かんたんに用意ができ、栄養も高く、疲れ切った巡礼者の身体を癒すにはぴったりでした。
今でいうとお粥みたいな感じでしょうか。
疲労困憊した身体に優しい栄養補給ができる料理だったと言えます。
25センチほどもある大きなオムレツには、見た目でも満足できるようにというプラールおばさんの優しい思いが詰まっています。
【衝撃】日本のオムレツとは違うモンサンミシェルのオムレツ
モンサンミシェルのオムレツは、卵をメレンゲ状になるまで泡立てているので、非常に膨らんでいて、ふわふわでクリーミーな食感が特徴です。
【今日の一皿🍴】フランス北部モン・サン=ミッシェルの名物ラ・メール・プラールのスフレオムレツをご存知ですか?ムースのようなフワフワとした食感でボリューム満点。モン・サン=ミッシェルを訪れる巡礼者や旅人のために1888年にプラールおばさんが考案したのが始まりです。pic.twitter.com/eFGYlakKSv
— フランス大使館🇫🇷🇪🇺 (@ambafrancejp_jp) March 16, 2019
この通り、ものすんごい、とろふわです!
表面は焼き目がつき、中はふわっ、しゅわっとした食感があります。
日本でオムレツというと、ひき肉やジャガイモなどの具材を卵で包んだものをイメージしますが、それとは見た目も味も異なります。
日本のオムレツをイメージしていると、モンサンミッシェルのオムレツは具材もなければケチャップもかかっていないので、とってもシンプル。
よく言えば、卵そのものの味を楽しめる、悪く言えば、味気ない、そんなところでしょうか。
モンサンミシェルのオムレツの元祖ラ・メール・プラール
巡礼者のために、栄養価の高いふわふわオムレツを提供した、プラールおばさんのオムレツが食べられるのは、「ラ・メール・プラール(La Mère Poulard)」。
1888年に創業された老舗のレストランです。
創立 100 周年のときには、英国のマーガレット・サッチャー首相やフランスのフランソワ・ミッテラン大統領が訪れて伝統のオムレツを堪能しました。
ほかにも、日本の皇族やアメリカの作家ヘミングウェイなどの著名人も、モンサンミッシェルに訪れた際に立ち寄り、オムレツを食べています。
有名人も食したオムレツ、やっぱり食べてみたい!
プラールおばさんといえば、700以上ものレシピを考案したお料理の達人。
オムレツのほかにも、プラールおばさんのクッキーは有名です。
モンサンミッシェルの絵が描かれた、可愛いパッケージを見たことのある人も多いはず。
↓これです!
成城石井やKALDIでも買えますが、3種類全部置いている店舗は珍しいかも??
赤いパッケージはサブレで歯ざわりが軽く、青と水色のは厚めのクッキーといった感じ。青はショコラ味です♪
とってもおいしいので、食べ過ぎ注意ですよ~
【実食】モンサンミシェルのオムレツはまずい?
ラ・メール・プラールは、著名人も多く訪れる名店ですが、実は評判があまりよろしくありません。
結論から言うと、まずくはないけど、特段おいしいってわけでもない。
私も含め多くの日本人は、モンサンミシェルのオムレツを食べて
「卵というより、うす塩味の泡を食べてるみたい」
と感じるからだと思います。
モンサンミッシェルのオムレツは、メレンゲ状になるまで泡立てているのが特徴です。
それがあまりにもふわふわすぎて、もはや卵感がなく、気泡を食べているような感覚。
この触感が、好き嫌いが分かれてしまう原因です。
クリーミーで美味しかった!という声と、味がしなくてイマイチ…という意見に分かれるのはそのためかと。
オムレツ自体は、ふわっふわでボリュームもあって、見た目のインパクトはバッチリなんです。
私がモンサンミシェルのオムレツを食べたのは、かれこれ10年近く前。
「インスタ映え」なんて言葉はまだなかったけど、今なら確実に「インスタ映え」を狙えるメニューです。
モンサンミシェルのオムレツは〇〇と一緒に食べると美味しい
いくらインスタ映えするとはいえ、味がイマイチなのはけしからん!ですよね。
なんとか美味しくいただく方法はないのか。
3度訪れて食べているうちに、美味しくいただく方法に気付きました!
(…遅い)
サイドメニューの肉や魚と一緒に絡めて食べると美味しい!
モンサンミシェルのオムレツは、それだけで食べると、なんだか泡を食べているみたいで物足りないのは事実なんです。
でも、サイドメニューと一緒に食べると、あら不思議。
お肉やお魚の塩味とオムレツのクリーミーな触感が見事にマッチして、とってもおいしくいただくことができます。
ソーセージやハム、スモークサーモンなどのちょっと塩のきいたサイドメニューと一緒に注文するのがおすすめ。
それだけで、グンとおいしくいただけると思います。
【評判】なぜ悪い?モンサンミシェルのオムレツ
モンサンミッシェルのオムレツの評判がよくない理由として、3つ考えられます。
- オムレツ「だけ」を注文した
- 日本のオムレツと同じものを想像していた
- 価格の割に満足できなかった
思うに、「味がしない」「おいしくない」と辛口のコメントを残している人は、オムレツ「だけ」を頼んでしまったのかもしれません。
私も、オムレツ「だけ」を食べた時は、「なんだか泡みたいだな~」と思ってしまって、「これはおいしい!」とは思えなかったんですよね。
でも、塩味のきいたお肉と一緒に絡めて食べることで、オムレツのシュワっとした独特の触感とマイルドなバター風味が口の中に広がって、とてもおいしくいただくことができました。
もはやオムレツはサイドメニューのソースか??と思ってしまったのはここだけの話です。
日本のようなオムレツを想像していると、全然違うので、それも低評価につながっているかもしれません。
ラ・メール・プラールでは、以前はオムレツの単品メニューもあったようですが、今はベーコンやサーモン、エスカルゴなど、サイドメニューが付いたものが提供されています。
また、ラ・メール・プラールのオムレツは、ベーコンやエスカルゴなどの付け合わせとセットのメニューで40ユーロ近くします。
なんと、オムレツ一皿5,000円!
いくら名物で、観光地で、本家とはいえ、やっぱり卵料理に5,000円近く払うのはちょっと勇気がいりますよね。
それだけ期待も膨らみます。
でも、じっさいは前述した通り、ちょっと期待外れな点があったり、想像していたのと違ったりして、評価が悪くなってしまうんだと思います。
オムレツのオリジナルは、ラ・メール・プラールですが、モンサンミシェルとその周辺のレストランでは、たいていどこのレストランでも、このふわふわオムレツを食べることができます。
ほかのお店だと20ユーロくらいだったりします。
本家にこだわらないのであれば、ほかのお店で食べるのもアリ。
島外にあるレストランなら、モンサンミッシェルを見ながら食事をすることだって出来ちゃいます!
オムレツだけじゃない!モンサンミシェルのもう一つの名物料理
オムレツがあまりにも有名ですが、モンサンミシェルにはもう一つ名物料理があります。
それは、プレサレというモンサンミッシェルの周辺で育った子羊肉の料理です。
オムレツが有名すぎて、ほとんど知られていない気もしますが、モンサンミシェルに行ったら、ぜひこちらも味わってほしい1品です。
旅行会社では、モンサンミッシェルでの昼食といえば、オムレツとプレサレをセットにするくらい有名な名物料理なんですよ。
プレサレとは、プレ=「前もって」、サレ=「塩気がある」という意味。
モンサンミッシェルの周りは、潮の干満があるため、このあたりの草は塩を含んでいます。
それを食べて育った子羊たちは、最初から塩分を含んでいるというわけ。
そのため、プレサレはほとんど味つけしなくても、塩気のきいたお肉の味を楽しむことができます。
もし、プレサレとオムレツを一緒に注文できたら、絡めて食べてみてください!
お肉の塩味とオムレツのマイルドさが見事にマッチしてとってもおいしいですよ。
【閉店】モンサンミッシェルのオムレツの名店ラ・メール・プラールは横浜と東京に出店していた
実は、日本にも横浜みなとみらいと有楽町に店舗があったんです。
モンサンミシェルのオムレツからスタート。即ちみなとみらいなう。https://t.co/QlryQCAenT pic.twitter.com/0Kuww2Q5RC
— まつい(H_MATSUI) (@Liddell_0124) April 26, 2017
オムレツふわふわ~モンサンミシェル♪のオムレツを食べてきました!!東京で食べられるとは!すごい…飲めるんじゃないかと錯覚するほどオムレツかふわふわとろっとろ…お店の内装も可愛い… pic.twitter.com/wQkkD5qjFl
— ひづき (@hidu0305) January 27, 2019
日本にいながらモンサンミッシェルの味が楽しめる!と好評だったのですが、2023年現在、残念ながら閉店してしまいました。
閉店の理由は、少なからずコロナも影響しているようです。
モンサンミシェルのオムレツは食べ方に注意!
残念ながら、モンサンミシェルのオムレツは、特別においしい!というわけではありません。
しかし、せっかくモンサンミッシェルまで来たんだから、名物料理を食べてみよう!ということで、食べてみる価値はあると思います。
ふわっふわで大きなオムレツは、見た目にはとってもインパクトがあり、インスタ映えはバッチリ!
食べるときには、オムレツだけをいただくよりも、塩味のきいたお肉やお魚といっしょに食べるとおいしいです。
もう一つの名物、子羊肉のプレサレと一緒にいただくのもおすすめ。
個人的には、「名物にうまいものなし」が言い得て妙だと感じます。
味わいそのものよりも、かつてのモンサンミッシェル巡礼の過酷さや、プラールおばさんのことを想像しながら、オムレツをいただくのが旅の記念になってよいかと思います。
楽しい旅行にしてくださいね。
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