
ウユニ塩湖ってあんなに有名なのに、どうして世界遺産じゃないの?



ウユニ塩湖に行ってみたいけど、乾季と雨季、どっちがいいんだろう…?行き方や持ち物も知りたい
この記事では、海外添乗員として世界103カ国を訪問し、雨季・乾季いずれの時期にもウユニ塩湖にいったことある私が、あなたのそんな疑問にお答えします。
- ウユニ塩湖が世界遺産ではない理由
- ウユニ塩湖への行き方
- 雨季と乾季の違い
- ウユニ塩湖に持って行くといいもの
こんなことをまとめてみました。
自分で手配したり、言葉の面で不安な人は、ツアーに参加したり、旅行会社にプライベートツアーを手配してもらうと安心です。


ウユニ塩湖はどこにある?面積や標高は?【富士山よりちょっと低くて四国の半分の広さ】
ウユニ塩湖は、南米のボリビアにあります。
ボリビアは南米のほぼ中央部に位置し、ペルー・ブラジル・パラグアイ・アルゼンチン・チリと国境を接する内陸国です。
ウユニ塩湖の面積は、約10,582平方キロメートルで、日本でいうと、東京都の約3倍、四国と同じ大きさに相当します。
また、ボリビアのアルティプラーノと呼ばれる高原地帯に位置しており、標高は約3,656メートル。
なんと、日本の富士山(3,776m)とほぼ同じ高さにあります。
「富士山と同じ高さに、四国の半分ほどの面積の塩の原がある」とイメージするといいかと思います。
海のない内陸国でありながら、この塩湖によって塩が採掘でき、国の重要な収入源となっています。
また、今ではウユニ塩湖の絶景をひと目見ようと、世界中から多くの観光客が訪れるようになり、観光産業もさかんになりました。


【何がすごい?】ウユニ塩湖ができた理由
ウユニ塩湖は、数千万年前にアンデス山脈が隆起した際にできた古代湖のあと地です。
この地域は、かつては海に面していたため、海水が陸地に侵入して形成された海水湖だったと考えられています。
その後、周囲にあった山々からの河川の流入によって水位が上昇し、数千年間にわたって膨大な量の塩分が堆積して、現在のウユニ塩湖が形成されたとされています。
ウユニ塩湖の塩分濃度は非常に高く、ほとんど雨が降らない乾季のあいだには、塩分が蒸発して白い塩原が広がる独特の風景を見ることができます。
また、標高約3,656~3,658メートルとほぼ平坦なため、雨季には、降った雨が湖面に張り、空模様を映し出して鏡のようになることから、「天空の鏡」として急激に有名になりました。
ウユニ塩湖へ日本から行くには?
日本からウユニ塩湖に行くには、
日本 →アメリカ内都市 →マイアミ(アメリカ) →ラパス(ボリビア) →ウユニの町 →ウユニ塩湖
が一般的です。
日本からボリビアへの直行便はなく、ボリビアのラパスまで少なくとも2回乗り継ぐ必要があります。
ボリビアに到着するまでに30時間近くかかるので、やっぱり南米は遠いですね…
ラパスに着いたら、ウユニ塩湖まではもうひと頑張り!
ラパスからウユニ塩湖の玄関口であるウユニの町までは
- 陸路で約9時間
- 飛行機で約1時間
の2択。予算や体力、日数に応じて決めるといいと思います。
ラパス~ウユニ間のフライトは2011年から開始されたので比較的新しいルート。
私がはじめて添乗員としてウユニ塩湖を訪れたのは2010年だったので、その時は陸路で移動しました。



悪路でガタガタ揺れる中、10時間の移動は本当にきつかった…
体力や日程に余裕がある人だけおすすめします。
ウユニの町から4WDに乗って、ようやくウユニ塩湖に到着です。
思いっきり絶景を楽しんでください!
ウユニ塩湖に行くまでがとっても大変!
自分で手配したり、言葉の面で不安な人は、ツアーに参加したり、旅行会社にプライベートツアーを手配してもらうと安心ですよ。
【意外?】ウユニ塩湖が世界遺産ではない理由


ウユニ塩湖は、言わずと知れた絶景スポット。
これほどまでの絶景であれば世界遺産であってもおかしくありませんが、じっさいは指定されていません。
明確な記載などはありませんが、その理由は2つあるとされています。
- 塩の採掘が出来なくなるから
- 環境問題が深刻だから
塩の採掘が出来なくなるから


ウユニ塩湖は、絶景スポットではありますが、地元の人にとっては塩の採掘場であり、生計を立てるための仕事場のようなもの。
世界遺産に登録されると、「環境保全」という観点から、塩の採掘ができなくなる可能性があります。
塩が採れなくなると、多くの人が職を失ってしまうため、あえて世界遺産登録に申請していないという説があります。
環境問題が深刻だから
また、ウユニ塩湖周辺の環境問題も指定を妨げる要因となっています。
観光開発に伴い、過剰な観光(オーバーツーリズム)やゴミの問題が深刻化しており、ウユニ塩湖を含む周辺地域の生態系や環境に対する影響が懸念されています。
とくに、塩湖に落ちたゴミは分解されず、半永久的に残ってしまうそうです。
じっさい、何かの拍子で風に飛ばされてしまい、そのまま塩湖に落ちてへばりついているゴミをいくつか見ました。
故意でなくても、旅行者がたくさん入ればこのようなことは起きてしまいます。
また、旅行者が持ち込んだ土により、白い塩湖が黒くなってしまう現象も起きています。
これらの問題を解決して、世界遺産指定に向けた取り組みが進められているという声もありますが、2023年時点では指定に向けた動きがありません。
【汚い?】ウユニ塩湖のトイレ事情
ズバリ、ウユニ塩湖観光中のトイレは、覚悟をして利用した方がいいです。
ツアー中は、ウユニ塩湖の周辺地域に設置されているトイレに立ち寄ってくれます。
が、このトイレ、かなり汚いです。
人によっては、使用するのをためらってしまうかもしれません。
いわゆる「ぼっとん」スタイルで、かなり悪臭がします。
トイレットペーパーなんてありません。
水が出ないのも当たり前。乾燥地帯なので仕方がありません。
先ほどのオーバーツーリズムとも関連していると思いますが、観光客の数に対してトイレの数が少なく、汚物の回収が間に合っていないように感じました。
ということで、出発前にホテルで済ませておくのがよいでしょう。



乾燥しているので水分はしっかりとってくださいね!



そしたらトイレに行きたくなっちゃうんだけどね…
念のため、トイレットペーパーや除菌ティッシュなどは多めにもっておくとよいでしょう。
また、万が一の際に、携帯用トイレもあると安心です。
海外のビックリトイレ事情を乗り越えるためのお役立ちアイテムについては、こちらも参考どうぞ。


ウユニ塩湖は乾季・雨季どっちがおすすめ?


ズバリ、鏡張りの絶景を見たいのであれば、絶対に雨季です!
雨季は、12月から3月頃までの期間です。
この時期は雨が多く、塩湖の表面が水で覆われ、まるで鏡のような美しい景観が広がります。
この時期には、青空と雲のコントラストが鮮やかで、空と地面が一体となるような絶景を楽しむことができます。
ただし、雨季なので当然雨が降ります。天候が不安定なので、曇り空や雨模様で期待していた風景が見られない、ということもあります。
また、雨季は観光客が多く、どこも観光客でごった返しています。
かつては「秘境中の秘境」とも言われましたが、今ではすっかり観光地化されています。
日本人もたくさんいるので、もはや秘境感は期待しない方がいいでしょう。
乾季に比べて価格も高くなる傾向があります。


一方、乾季は、5月から11月頃までの期間です。
この時期は、天気が安定しており、太陽が照りつけるため、青空と広大な白い塩原が見渡せます。
また、乾季は、塩湖の表面に塩の結晶が形成され、珍しい光景が現れます。
この時期は晴天率が高いため、星空観察に絶好のシーズンとなります。



標高が高くて空気が澄んでいるため、星がものすごくきれいに見えました!
どちらもそれぞれに魅力があるので、好みによって選んでくださいね。
どうやって観光するの?
ウユニ塩湖を観光する際には、4WDで塩の原を走ります。
雨季であれば、水が張っている絶景ポイントを目指して進むイメージです。
当然、道や標識はありません。
ガイドとドライバーは長年の経験と勘、そして仲間との情報のやり取りによって、その時の絶景スポットへと連れて行ってくれます。



真っ白な地面がどこまでも続く塩湖で、現在地を見失わないのはスゴイ!と感激!
絶景ポイントで4WDを降りたら、写真を撮りながら絶景を楽しみましょう!
昼食は、キャンプ用のテーブルとイスを用意して、ウユニ塩湖のまっただ中でピクニックランチ!
絶景の中で食べる食事はこれまた最高ですよ!
ウユニ塩湖に宿泊している場合、ツアーは、日中・夕暮れ時・夜の星空・朝日と、1日の中で何度か実施されます。
ツアーのプランよって、ホテルからウユニ塩湖に何回4WDを出してくれるかが違うので、プラン内容をよく確認してくださいね。
(夜も行けると思っていたのに、日中と夕方だけだった…ということがないように。)
観光のあいだは、その都度、ホテルに戻ってくるので、休んだり食事をしたりできますよ。
出発前には必ず、トイレを済ませてくださいね!
時間帯によって、見える風景は全く違うので、ぜひ可能な限り参加してみて!
特に、夕暮れ時のマジックアワーがおすすめです!



刻々と変化する光景は、この世のものとは思えない風景でした












ウユニ塩湖に行くなら持っていきたいもの
ウユニ塩湖は、標高3,656メートルの高地にあるため、気温が低く、日差しが強いです。
そのため、日よけ対策、乾燥対策、防寒対策がとっても重要!
忘れないように準備して、現地では快適に絶景を楽しみましょう。



それでは、絶対に持って行くべき10のアイテムを紹介します!
- サングラス:日差しが強いため。塩湖からの照り返しも強烈なので絶対に必要!
- 日焼け止め:高地のため紫外線もめちゃくちゃ強いです!
- リップクリーム:同じ理由で、唇のケアも忘れずに。
- 厚手のジャケット:朝晩は気温が低いため、暖かいジャケットが必要です。防寒性に優れたダウンジャケットがおすすめ!
- 手袋:朝晩の冷えに備えてあると便利。
- ホッカイロ:こちらもあると便利。使用後は、ラパスまで持ち帰る配慮を。
- 長靴:雨季は長靴での観光が快適。貸し出しもあります。サンダルは塩で足が切れてしみるので地獄です。
- トイレットペーパー・除菌ティッシュ:トイレにティッシュがあることはほとんどないと心して。
- 携帯用トイレ:万が一に備えてあると便利。
- トリックアート用のおもちゃ:ガイドが用意している場合もありますが、こだわる方はぜひ。
そのほか、高山病予防対策として持っていくといいものはこちらにまとめました。


【ウユニ塩湖は世界遺産ではなない】環境に配慮して絶景を楽しむべし
以上、ウユニ塩湖が世界遺産になっていない理由と、ウユニ塩湖を旅行する際のポイントを紹介しました。
ウユニ塩湖が世界遺産ではない理由のひとつに、オーバーツーリズムや環境問題が影響しているようです。
旅行者として訪れる際には、なるべくゴミを出さないように注意したり、環境に配慮した行動を心がけたいものですね。
ウユニ塩湖の絶景が後世まで続き、塩の採掘とうまくつり合いがとれるといいのにな、と願わずにはいられません。