東京ジャーミーってどんなところ?
モスクを見学する際の注意点や、イスラム建築の見どころを知りたい
この記事では、海外添乗員として世界103カ国を案内し、イスラム諸国にも何度もご案内した私が、「東京ジャーミー」とイスラム建築について紹介します。
「東京ジャーミー」は東京渋谷区にある日本最大のモスクで、代々木上原駅から徒歩5分でアクセスも良好。
日本にいながらにして、気軽に異国文化を体験できるスポットです。
しかも、無料で開放されているんです!
これからイスラム諸国に旅行に行く人は、東京ジャーミーを訪問して、事前にモスクやイスラム建築について勉強しておくと、より旅が深まるかも!
もちろん、イスラム文化にはじめて触れる人や、イスラム圏の雰囲気が恋しくなった人にもおすすめの場所です。
この記事では、モスク見学をより楽しむための、イスラム建築の用語や注意事項も紹介していきます。
東京ジャーミーは誰でも見学できるイスラム教のモスク
東京ジャーミーは、日本最大のモスクです。
「ジャーミー」という言葉はあまり聞きなれないかもしれませんが、ズバリ、「大きなモスク」という意味。
「モスク」は、イスラム教徒がお祈りをする礼拝堂のことです。
イスラム教徒は、1日に5回お祈りをする「礼拝」が義務付けられています。
1日に5回もお祈りするなんて、信仰深い!
普段の礼拝は、特に場所の指定はなく、状況に応じて礼拝することができますが、金曜日の礼拝は「集団礼拝」と言ってモスクでお祈りをすることが推奨されています。
そのため、モスクはイスラム教徒にとってはなくてはならない大切な場所です。
じつは、日本にも100以上のモスクがあり、信者が日々の礼拝で利用しているんですよ。
【無料!】東京ジャーミーの入場料・開館時間・休館日・アクセス
宗教施設というと、「信者以外は入れないのかな?」というイメージが強いかもしれません。
東京ジャーミーに関して言えば、イスラム教徒でなくても見学することができます。
しかも、無料で開放されているんですよ。
東京ジャーミーは、毎日10時から18時まで見学可能です。休館日はありません。
金曜日のみ、14:30以降の見学が可能です。
先ほど紹介した「集団礼拝」のため、金曜日の午前中は見学できませんので気をつけてくださいね。
日本にいながら、誰でも気軽に異国情緒あふれる雰囲気を楽しめる場所です。ぜひ気軽に見学してみてくださいね。
アクセスは最寄りの代々木上原駅から徒歩5分ほどです。
名称 | 東京ジャーミイ・トルコ文化センター |
住所 | 東京都渋谷区大山町1-19 |
最寄り駅 | 小田急線・地下鉄千代田線/代々木上原駅 |
電話番号 | 03-5790-0760 |
営業時間 | 10:00~18:00(金曜日のみ14:30~18:00) |
定休日 | なし |
入場料 | 無料 |
公式ホームページ | https://tokyocamii.org/ja/ |
モスク見学の服装・注意点/スカーフの貸し出しや巻き方は?
東京ジャーミーは誰でも気軽にイスラム文化に触れることができるモスクですが、じつは見学の際には注意しなければいけないことがあります。
東京ジャーミーだけではなく、世界にあるほかのモスクも同じような決まりがあります。
知らずに訪問すると、見学を断られるだけではなく、信者の人にとって不快な印象を与えてしまったり、場合によっては失礼にあたってしまい、トラブルに発展してしまうこともあります。
モスクは、信者の人がお祈りを捧げる神聖な場所です。
相手を理解し、敬意を払うことで、おたがいに気持ちよく過ごせるように心がけましょう。
服装は肌の露出を控える/半そで・短パン・ノースリーブはNG
イスラム教徒は肌の露出を禁止しています。
男女とも、半そでや短パン、ノースリープは避け、肌が露出しない服装を着用して行きましょう。
【貸出あり】女性のスカーフの巻き方は?/色・形・柄は自由
また、女性はスカーフで頭と髪の毛をすっぽりと覆います。
巻き方に決まりはなく、頭と髪の毛が隠れていれば大丈夫です。
頭の上にスカーフを乗せて、髪を隠しながら首の後ろでスカーフを交差させ、前に持ってくるといいと思います。
スカーフは黒である必要はなく、色や形、柄、大きさの指定はありません。
スカーフを持っていない場合は、入り口で貸し出しがあります。
しかし、数に限りがあるので、自分で用意して持参した方が安心です。
土足厳禁
見学の際には、男女ともに靴を脱いでモスクの中に入ります。
肌の露出を避けるため、サンダルなどではなく、靴下と靴を履いて出かけましょう。特に夏は注意です。
撮影はスマホでのみ可
個人での写真撮影は、携帯電話付属のカメラでのみ可能です。
カメラ機材は持込できないので気を付けてください。
モスクの中では静かに見学をし、お祈りをしている人にカメラを向けたり、横切ることは厳禁です。
礼拝の場所であるということを忘れずに、信者への敬意と配慮を示しましょう。
【ここに注目!】イスラム建築を知れば東京ジャーミーはもっとおもしろい
ここでは、モスクを見学する上で知っておくとよい用語や、見学の時に注目してほしいポイントを紹介します。
モスクの内部は、美しいタイルや幾何学模様がたくさん!
この写真は、東京ジャーミーの2階(女性専用の礼拝スペース)から筆者が撮影した1枚です。
美しさにうっとり見とれて何気なく撮影したのですが、あとから見たら、モスクの見どころがぎゅっと詰まった1枚になっていました。
この1枚からでも、モスク見学で注目すべきポイントがわかるので、紹介していきますね。
何も知らずに見学しても、その芸術性の高さに感動してしまいますが、それぞれの意味を知って見学すると、さらに理解が深まりますよ。
ミフラーブ
ミフラーブは、メッカの方角を示すアーチ型の窪みのことです。
世界中どこにいても、礼拝は聖地であるメッカの方角を向いて行います。
ミフラーブ文様のじゅうたんもあり、モスクに行けないときにはそのじゅうたんにひざまずいて礼拝をおこないます。
ミンバル
ミフラーブの横にある階段状の説教壇のことです。
金曜の集団礼拝の時には、イスラムの指導者(イマーム)はここに上がって説教を行います。
キブラ
メッカの方角のことを、アラビア語で「方角」を示すキブラといいます。
カリグラフィー
カリグラフィーは、コーランに記されている神の言葉が、簡潔な文章で書かれたものです。
流麗なアラビア語で書かれていて、とても美しく芸術的です。
カリグラフィーは、モスクの至るところに書かれていて、モスクの美しさを引き立てているようです。
たとえば、東京ジャーミーのミフラーブの上のカリグラフィーは次のような意味があるそうです。
- ガラス部分:崇高なるアッラーはおおせられた、「あらゆるものごとは滅びる、ただこの御方の御顔を除いては。判断はこの御方のもの。そしてあなたがたは、この御方に帰されるもの(コーラン28章88節)」
- タイル部分:「あなたがたがどちらを向こうと、そこにアッラーの御顔がある(コーラン2章115節)」
レウゼン(ステンドグラス)
ステンドグラスというと、キリスト教の教会をイメージするかもしれませんが、モスクにも用いられます。
石膏の窓枠に着色したガラスをはめこんで模様を描いていきます。
なんと、内側と外側はそれぞれ異なった模様が使用されています!
アザーン
アザーンは、礼拝時刻の呼びかけのことで、「これから礼拝が始まりますよ」という合図です。
東京ジャーミーでは周辺に配慮してか、アザーンは流しません。
アザーンを聞くことができないのはとっても残念!
というのも、町中に響き渡るアザーンは、何とも異国情緒あふれて、私は大好きなんです。
イスラム教は1日5回の礼拝があるので、イスラム教の国を訪問すると、このアザーンが響き渡り、独特の雰囲気を体験することができます。
日の出前のアザーンで目覚める、なんてこともありますよ。
本物のアザーンを聞いてみたい人は、ぜひイスラム圏を旅行してみてくださいね!
ミナレット
モスクの尖塔のことで、アザーンはミナレットから行われます。
本数は特に決まりはなく、1本から4本であることが多いです。
東京ジャーミーには、高さ41mのミナレットが1本あります。
ガイドツアーも無料!個人なら予約も不要!東京ジャーミーのガイドツアー
東京ジャーミーでは、毎週土曜・日曜・祝日の14時30分から、ガイドツアーが行われています!
このガイドツアーも、無料で参加することができます!
所要時間は約45分から60分。
外観から内部にいたるまで、詳しく説明してくれますよ。
個人、少人数での参加であれば予約は不要です。
見学開始時間前までに1階のエントランスに集合してくださいね。アナウンスでお知らせが流れます。
イスラム教やモスクについて、より理解を深めることが出来るので、おすすめです!
5名様以上の団体であれば、土曜・日曜・祝日以外の日程でガイドツアーを申し込みできます。
希望する場合は、1週間前までに公式ホームページの予約カレンダーから申し込みましょう。
東京ジャーミーはカフェやショップ、講座も充実
東京ジャーミーは、カフェやショップ、講義なども充実しています。
食事やショッピング、ワークショップなど、さまざまな面からイスラム文化を楽しむことができますよ。
ユヌス エムレ カフェ (Yunus Emre Café)
ランチプレート1500円がいただけます。
メニューは日替わりで、何が食べられるかは当日のお楽しみ!
私が訪問した8月下旬は、オクラを使ったカレーでした!
香辛料が程よく効いていて、それはもう、一口食べたらトルコやモロッコの香りを思い出しました!
イスラム圏の国を訪れたことがある人は、
うわぁ~!なつかしい!これこれ~!
となるはず。
スイーツも充実していますよ。私はミルクプリンをいただきました。
上にピスタチオのクラッシュが乗っていて、触感がおもしろかったです。
デザートがでかいのか、紅茶が小さいのか…なんだかアンバランスに見えますが…
どちらも正解です。
中東のデザートはとっても大きい!そして甘い!
こちらは甘さ控えめで全部ペロリと美味しくいただけました。
現地では、喉が「クワァ!」と焼けるように甘いスイーツもありますよ。
カラフルで可愛いお皿は、トルコの手工芸品イズニックタイル。
トルコ旅行で人気のお土産のひとつです!
モスクを見学したら、カフェでランチをしたり、トルココーヒーやチャイを飲みながら、食文化に触れるのもいいですね。
カフェは金曜日は定休日なので気を付けてください!
ハラールマーケット
東京ジャーミーのハラールマーケットは、種類が豊富で日本一と言われています。
食品だけでなく雑貨も置いてありましたよ!
トルコやマレーシア、インドネシアなど様々な国の商品が置かれていて、見ているだけでも楽しいです!
イスラム圏に旅行に行った気分で、お買い物を楽しめますよ。
講座やワークショップ
東京ジャーミーの隣には、「ディヤーナト・トルコ文化センター」があり、イスラムに関するさまざまな講演会やワークショップが開催されています。
ラマダン(断食)明けの夕食会や結婚式なども行われているそうです。
さまざまなカルチャー講座が用意されていて、とっても興味深かったです!
トルコの伝統弦楽器サズ講座や、ヒッタイト語講座、古代トルコ語講座…
あまりにもマニアックすぎるラインナップに、逆に興味津々にチラシを見入ってしまいました。
さまざまな国籍や幅広い年齢層の人が参加していて、交流を深めているそうです。
レース編みがめちゃくちゃ気になります!
東京ジャーミーは入場無料・年中無休のイスラム礼拝施設
東京ジャーミーは、誰でも気軽にイスラム文化に触れることができる場所です。
見学する際には、マナーを守って信者の方に失礼のないようにすごしたいものです。
ミフラーブやミンバルなど、イスラム建築特有の設備にも注目すると、東京ジャーミーの見学をより深く楽しむことができますよ。
日本の建造物では見ることのできない芸術がたくさん詰まっているので、細部にまで注目して見てくださいね!
モスク見学のほかにも、カフェやショッピングも楽しめそうですね。
東京ジャーミーがきっかけで、イスラム文化に興味を持つ人も多いと思います。
その魅力にハマってしまったら、本格的な講座を受けたり、思い切ってイスラム圏の国を旅行してみるのもいいと思います!